今年の読書(42)『いざ帰りなん』佐伯泰英(新潮文庫)
6月
18日
<総兵衛>率いる鳶沢一族のに運び方の<文介>の動きがおかしいと<北郷陰吉>の報告を受けて、<総兵衛>は、身辺調査を<陰吉・平十郎・忠吉・林梅香>らに委ねますが、若年寄りの<京極高久>が金貸し<三留屋>と組み、古着市の乗っ取りをはかっていることを突き止めます。
古着市開催が迫る中、<総兵衛>たちは、<京極>の屋敷に乗り込み、<京極>の暗殺を裏の貌として働き、事なきを得ます。
一方、大黒丸とイマサカ号の交易船団は、新造船カイト号の建造のめども立ち、2年ぶりに日本へ戻ってきます。
日本では、京都に出向いた<総兵衛>と<坊城桜子>の仮祝言が執り行われ、盛大に開催された「古着市」でも披露され、大黒屋としての基盤が固まっていきます。無事夫婦になったふたりは、<総兵衛>を船団長として新造船のカイト号の引き取りと交易に旅立ちます。
本書で、<総兵衛>の配下となった元秋月藩主の<筑後平十郎>の過去が語られ、彩りを添えていました。