今年の読書(27)『わが心のジェニファー』浅田次郎(小学館文庫)
4月
3日
日本びいきの恋人<ジェニファー>から、結婚を承諾する前に、価値観を去有するために、携帯もパソコンも持たずに日本への一人旅を命じられた<ラリー(ローレンス・クラーク)>の日本での奮闘記です。
幼い頃に両親が離婚、元海軍提督の祖父に育てられた<ラリー>は、「日本人は油断のならない奴ら」という認識で日本に出向き、様々な体験を繰り広げながら、最後に自分の思わぬ秘密に辿りつきます。
読み手側としては、著者(日本人)による日本賛美を<ラリー>に代弁させている感じがしないでもありません。外国人向け日本案内書とでも言いましょうか、<ポール・ボネ>の現代版『不思議の国ニッポン』といった趣の一冊でした。