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神戸:ファルコンの散歩メモ

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『ナラタージュ』島本理生(角川文庫)

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『ナラタージュ』島本理生(角川...
結婚を決めた<工藤泉>は結婚相手のかたわらで昔の恋人のことを思い出し回想していた。高校卒業式の日、演劇部顧問の<葉山貴司>先生とのある出来事が起きて以来、<泉>の気持ちはずっと同じ場所にあった。大学二年生の春、泉は母校の演劇部の練習にOBとして参加することになり、<葉山>先生と久々に再会する。

高校生だった<泉>は、<葉山>先生のことが好きで、少しでも力になりたいと思っていた。また、<葉山>先生は<泉>を必要としていた。再会した二人が、互いに惹かれ合う気持ちを再認識すると、静かに抑制していたはずの感情が、再び熱くうずき始める。

「お願いだから私を壊して、帰れないところまで連れていって見捨てて、あなたにはそうする義務がある」「無理だ、僕にはできない」

<葉山>先生はある事情を抱えていて、どれだけ互いに求め合っても、決して結ばれることはない。それでも、一度蘇った情熱は、許される限り近くにいたい、力になりたい、触れたい、愛したい、と二人を突き動かすのだが。

「ナラタージュ」とは、映画の回想シーンで多く用いられる、語りによって物語が展開していく手法のことをいみします。登場人物のキャラクターや心情、情景が丁寧に描写されていて、本書の世界に深くはまり、自分の中にある熱いものが呼び覚まされていきます。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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