<隠蔽捜査>シリーズとして、前作の 『初陣:隠蔽捜査3.5』 に次ぎ、本書が5巻目になり、前作は警視庁キャリアの同期<伊丹俊太郎>が刑事部長という立場で主人公になりましたが、本書では大森署長としての<竜崎伸也>の活躍で読者を楽しませてくれます。
外務省職員<若尾>の惨殺死体が隣の署内で発生、管内では62歳の無職<八田>が轢き逃げ事件が発生、緊急配備にも関わらず轢き逃げ犯人を取り逃がしてしまいます。
娘<美紀>は、交際相手の<忠典>がカザフスタンに出張中に、搭乗するという飛行機が墜落、詳細情報を求めて警視庁時代のコネを使って外務省の知人に、父親という立場で連絡を入れるも、計らずも殺人事件と轢き逃げ事件の被害者が外務省の関係者で、コロンビアとの麻薬絡みの事件が浮かび上がります。
そんな折、厚労省の麻薬取締官<矢島>が、内偵捜査の邪魔をしたと怒鳴り込んでくるのですが、国家公務員は国のために働くという信念を揺るがすことのない<竜崎>は、縦割り行政の役所方式を批判してやみません。
そして連続放火犯の捜査にのめり込んでいるはみ出し刑事<戸高>が、相変わらずの個性を発揮するなか<竜崎>は、署長という立場でありながら外務省絡みの二つの事件の陣頭指揮を、執ることになっていきます。
警視長の肩書のまま降格処分で大森署長に納まっている<竜崎>ですが、持ち前の頭脳と決断力での事件の取り組みは、心地よい安心感を与えてくれる主人公の一人です。
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投稿日 2016-04-18 06:57
ワオ!と言っているユーザー
投稿日 2016-04-18 07:01
ワオ!と言っているユーザー