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- 今年の読書(146)『パダム・パダム』古野まほろ(光文社文庫)
主人公は30歳前のキャリア警察官<二条実房>で、前作 『命に三つの鐘が鳴る』 では埼玉中央署に見習い警部補として勤務、かっての学生時代の非合法活動の同志に絡む事件を捜査していました。
今回は、京都の平安署に発生している3件の連続殺人事件で、刺殺した相手の目をえぐり取ることにより、通称<眼喰鬼(ガン・イーター)>を捜査すべく平安署長として赴任してきますが、着任早々警邏に付いていた現役警察官が4人目の犠牲となります。
キャりア警察官として、イギリスに犯罪心理学の留学経験を生かし、<二条>は自ら事件解決のために動き出します。
一般の警察小説とは違い、著者自らの経歴が警察庁Ⅰ種合格のキャリアであり、警察大学校主任教授の職歴があるだけに、国と地方警察署という縦社会の組織の描写は秀逸でした。
題名の『パダム・パダム』は、フランスのシャンソン歌手<エディット・ピアフ>の歌ですが、冒頭に訳詩が載せられ、1980年を舞台とした本書にとって読後に一抹の哀愁を感じさせるタイトルでした。
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