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- 今年の読書(84)『サヴァイブ』近藤史恵(新潮文庫)
プロのロードレースを舞台とした第1巻目の 『サクリファイス』 と第2巻目の 『エデン』 に続く<サクリファイス>シリーズとして第3巻目が本書で、前二作の前日譚と後日譚の短篇が6篇納められています。
チームの「エース」を勝たせるために、多くの選手は「アシスト」に回るという、団体競技としての妙技があるロードレースですが、やはり実力が物言うスポーツの世界として妬みが渦巻く世界でもあります。
本書には『サクロファイス』の主人公<白石誓(ちから)>のフランスやスペインでの出来事とともに、「チーム・オッジ」内における「エース」<久米>と25歳の新人<石原豪>との軋轢、それを見守る3歳年上の<赤城直樹>との人間関係が見事に描かれています。
過酷なロードレースの先に、各選手が人間として何を感じ何を目標としているのかが、ひしひしと心に伝わる人間ドラマが楽しめました。
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