本書は「第9回サントリーミステリー大賞」(1991年)の佳作入選作品で、著者のデビュー作に当たりますが、訂正加筆され刊行されたのは2005年5月、光文社カッパ・ノベルスからでした。
1990年(平成12)年12月、忘年会に出席していた警察署長の素に、15年前に起きた高校女性教師の自殺事件が、実は殺人事件だとの密告の連絡が入ります。
また<喜多芳夫>は、娘や妻の目の前で突然警察官に署まで連行され、取調室で尋問されたのは、高校時代に悪仲間の<橘宗一>や<竜見譲二郎>の三人で企てた「ルパン作戦」なる期末テストを奪う作戦のことでした。
捜査陣が二つの事件の関連を辿って行く中で、戦後最大の謎である三億円強奪事件とまでが絡み、時効までの24時間の緊迫した状況が続いていきます。
それぞれの登場人物が15年という歳月を経て、様々な生き方をしており、ラストまでの伏線も丁寧にちりばめられ、楽しめる展開でした。
- ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
ログイン
- まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
新規ユーザー登録へ