「未年」ということもあり、今年の読書の一冊目は、9編の短篇が収められた『一匹羊』を選びました。
どの短篇もごく普通にあるだろうなという日常的な生活の場面を背景に、それぞれの主人公たちの心の動きをさりげない文体で描き、新しい人生の一歩を踏み出す心のさまが、素直に心にしみ込んできます。
タイトルにもなっている『一匹羊』は、ごく平凡な縫製メーカーに勤める40歳の<大神>は、受注した居酒屋のユニフォームのデザインが他店の盗作だと見破りますが、上司から売り上げのために目をつぶれと諭されてしまいます。
同じ部署には20歳の<沖元美香>がおり、何事に対しても実直で自分の意見を持つ姿勢に、<大神>は若いころの自分の生き様と重ね合わせて好感をもってみています。
ある日中学生が職場体験に派遣されてきますが、<キクチ>という生徒と触れ合ううちに、若かりし頃の自分の気構えを取り戻していきます。
会社の上司に対して反抗することなく、人間性が丸くなったと周囲から見られていますが、本人は「ずるい大人になっただけ」と割り切って<羊>になっていましたが、<沖元>や<キクチ>に刺激を受け、若いころの希望に燃えた<一匹狼>に変貌する姿が、心に爽やかに響く作品でした。
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投稿日 2015-01-02 07:59
ワオ!と言っているユーザー
投稿日 2015-01-02 08:06
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投稿日 2015-01-02 08:42
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投稿日 2015-01-02 08:54
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投稿日 2015-01-02 11:01
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投稿日 2015-01-02 12:16
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