主人公<夏目栞>が、10年ぶりに故郷の小学校を訪れ、自分が4年2組で過ごした一年を振り返る物語で、「第18回椋鳥十児児童文学賞」の受賞作品です。
<栞>は、「ち」と「き」の発音がうまくできずに特別授業として『ことば教室』に通い、定年間近の<佐山先生>に指導を受けていますが、日常生活の出来事を通じて、わかりやすい言葉で<栞>にモノの見方や考え方を諭してくれます。
ある日校庭にそびえ立つ大きな「セコイヤ」の樹が伐採されることになりますが、クラスメートと伐採反対の署名運動に協力したり、奉仕委員としてプルトップを集めたりとの生活を通して、人生の「幸せ」について学んできた過程が回想的に描かれていきます。
「ボクシング・デー」とは、クリスマスに祝えなかった人たちが、一日遅れでプレゼント(Box)を開けることを意味していますが、「遅れたとしても、誰にでも必ずいいことは巡ってくるんだよ」という人生の暗示をそれとなく感じさせてくれる一冊でした。
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