今年の読書(29)『何もかも憂鬱な夜に』中村文則(集英社文庫)
3月
3日
施設で育った<僕>は施設長の教えを心に刻みながら、高校を卒業後刑務官として働いています。
施設で一緒だった<恵子>と関係を持ち、同級生が高校卒まじかに自殺してしまう心の傷を背負い、また実在するか分からない「弟」のことに関して心を痛めています。
そんな<僕>は、夫婦二人を殺害し死刑判決を受けた18歳の<山井>を担当していますが、控訴期限が迫る中、どこか過去の自分と似ていることが気がかりになり、<山井>に対して自ら接していきます。
人間の本質とは何か、生きていくということはどういうことか、犯罪者の気質とは等、人間の存在そのものに問いかけながら、読者に迫ってきます。
生きてゆく上では必ず苦しくて「憂鬱な夜」はありますが、必ず明日が訪れるのも自明なことで、どんな時にでも希望は捨てるなという応援歌として読み切りました。
投稿日 2013-03-03 21:01
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投稿日 2013-03-04 07:06
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投稿日 2013-03-04 10:43
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投稿日 2013-03-04 19:50
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