Compaq 386 とプラセボ効果 ビジネス教訓
8月
19日
Compaq 386 とプラセボ効果
1986年に登場した Compaq Deskpro 386 は、世界初の 32ビット PC として注目を集めました。しかし「32ビットだから速い」と言われても、一般ユーザーにはその違いが実感しにくいという課題がありました。
そこで Compaq が取った戦略が、ユーザーに“速さを体感させる工夫” です。
MS-DOS の代表的なコマンドに DIR(ディレクトリ一覧表示)があります。従来機では、画面に一行ずつスクロールして表示されるため「遅い」と感じられやすいものでした。Compaq はここを改良し、一覧を一瞬で画面に表示する仕組みにしました。
結果、ユーザーは「おお、このマシンは速い!」と強く印象づけられました。実際の計算速度の差以上に、「速く見える・速く感じる」という体験が購買意欲を大きく刺激したのです。
ビジネスへの教訓
これはまさに プラセボ効果の応用 と言えます。
本質的な CPU 性能向上も確かにありましたが、それ以上に「体感としての速さ」を演出することで、ユーザーに満足感と信頼感を与えたのです。
つまり、
技術的な進歩(事実) と
心理的な体感(印象)
この両方を結びつけることが、製品の成功には不可欠であると Compaq は証明しました。
心理的な体感(印象)
この両方を結びつけることが、製品の成功には不可欠であると Compaq は証明しました。
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