12月
9日,
2021年
木村勝男著「放牧経営」を読み進めながら(Day9)「経営社員を育てられない原因」
少し間隔が空きましたが引き続き、木村勝男氏の著書
「放牧経営」
を読み進めて行きながら、私がキーポイントと思う部分を抜粋して、綴って参ります。
この本のテーマを一言で表現すると
「いかに経営社員を育てるか?」
経営社員?
はい!
- 木村氏が考える「経営社員」とは?
- そのような社員を育てる仕組みとは?
これらを読み解きながら進めて行きます。
第3章「『経営社員』の育つ会社」
章立て
1.なぜ経営社員を育てられないのか?(本日)
2.経営者の通信簿
3.B/S経営とは?
4.経営理念 X B/S経理
5.経理理念の浸透
6.小さい会社こそ「経営社員」は育つ
「なぜ経営社員を育てられないのか?」
章立て
1.経営社員を育てられない理由
2.都合の良い社員にするな!
1.育てられない原因とは?
(1)育て方が分からない
①人材教育が行き当たりばったりになっている。
②「仕事は盗むものだ」という根性論にすり替えている。
③教育がプログラム化されたトレーニングになっていない。
(2)仕事の現場を教育の場に出来ない
①OJTが機能していない。プログラム化していない。
②「もし自分が経営者だったらどういう判断をするか」と言うことを意識させる職場環境を作っていない。
(3)経営者が社員に対して「本当は育って欲しくない」と思っている
①社員の育成は子育てと通ずるものがある。
②経営者自身が「自分が強いリーダーシップを発揮して社員を指揮命令したい」という意識を強く持っているとしたら、それはいつまでも自分より未熟な社員でいて欲しいと内心で願っていることになる。
③デール・カーネギーの「人を動かす」によれば、カーネギー自ら「己よりも賢明なる人物を身辺に集むる法を心得しものここに眠る」という墓碑銘を選んだ。
2.都合の良い社員にするな!
(1)経営者は一人で多くの社員を見ている。しかし社員は多くの目で一人の経営者を見ている。
(2)「積極的にチャレンジする社員になって欲しい」と口にしながらも、経営者自身がチャレンジしなかったら、どうでしょうか?
(3)経営者が気を抜いた瞬間があれば、それを必ず見抜く。経営者が望む姿を見せようと、演技すらするかも知れない。
(4)こういう社員は経営者にとっては可愛い社員かも知れない。しかしこのような「都合の良い社員」を育ててはいけない。
(5)自律的で能動的な「経営社員」になって欲しいと望むなら、まずは経営者が自律的で能動的な人間にならなければならない。
(6)そのために経営者が出来ることは、責任は自分が負うからやってみろ!と大きな権限と責任を与えて、あとは口出しせずに見守ることである。
(7)子離れ出来ない親のように、社員離れ出来ない経営者ではいけません。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお
12月
7日,
2021年
読書会でドラッカーを読み進めながら(Day7)「知識労働の価値・成果と生産性」
興味深いスタイルの「読書会」で、P・F・ドラッカー著
「プロフェッショナルの条件」
を読み進めています。
その読書会のスタイルは
「一冊の本を参加者が、順番に輪読しながら読み進めるスタイル」
そう、まるで小学校の国語の授業のようにです。
従って、ゆっくり・じっくり聞いて、深く読む感じで、読書が進む。
この読書会に参加するたびに、ドラッカーがいかに「凄い人」なのかが、心に沁みてきました。
今日から不定期ではありますが、読み進めながら重要な部分を綴って参ります。書かれている内容が相当「深い」ので、行間を理解したい方は是非、書籍を全文で読んで頂きたいです。
この本の凄さは、出版されたのが2000年、従ってドラッカーは、それ以前の1990年代にはこの草稿を練っていたはず。まるで30年後、2020年代の現在が見えていたかのような記述が随所に出てきます。
Part2:働くことの意味が変わった
第1章「生産性をいかにして高めるか」
【分散化する知識労働者の仕事】
(1)肉体労働では、人は一時に一つの仕事しかしない。
(中略)トウモロコシを植え付けているアイオワの農民が、仕事に合間にトラクターを降りて会議に参加することはない。
(2)ところが今日、知識労働者の仕事はますます分散化しつつある。
技術者、教師、販売員、看護師、現場の経営管理者など、知識労働を組織で実際に行っている人たちは、仕事や給料に関係なく、かつ、ほとんど意味の無い余分の仕事を課され、忙しさを着実に増大させている。
(3)看護師は時間の半分は、看護人としての技能や知識を要しない医療的にも価値のないこと、患者の世話や患者の満足とは関係ないことに使わされている。それは例えばペーパーワークなどである。
(4)つまり知識労働者の仕事は、充実するどころか不毛化している。当然、生産性は破壊される。動機づけも士気も損なわれる。
(5)では対策はどうしたら良いのか?
それは、知識労働のそれぞれについて、「何のために給与を払うか」「この仕事には、どのような価値を付加すべきか」を考えれば良い。答えは必ずしも明白ではなく、議論の余地もあり得る。
【知識労働は三種類ある】
(1)知識労働は、単なる労働の一言で片づけるわけにはいかない。大きく分けて三種類ある。
(2)第一に、知識労働のいくつかにおいては、仕事の成果は純粋に質の問題である。
例えば研究所の仕事である。また戦略計画についても同様である。そして医師の診断、放送や雑誌の編集もしかりである。
(3)第二に、質と量を共に成果とすべき知識労働が幅広く存在する。
デパートの店員の成果がそれである。顧客に満足は質的な側面であり、定義するのは簡単ではない。だがそれは売上高や売上伝票の枚数という量的なものと同じように重要である。
(4)第三に、生命保険会社の保険金支払い、病院のベッドメーキングなど、その成果が肉体労働と同種の仕事が多数ある。それらの仕事の場合、質は前提条件であり、制約条件である。
(5)このように、知識労働の生産性を高めるためには、その仕事が成果に関して、いづれの範疇に属するかを知っておく必要がある。そして初めて、何に取り組むべきかが明らかになる。
(6)「何を分析すべきか」「何を改善すべきか」「何を変えるべきか」を決定できる。さらには、知識労働のそれぞれについて、生産性の意味を明らかにすることができる。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお
12月
6日,
2021年
読書会でドラッカーを読み進めながら(Day6)「知識労働の生産性向上のためには?」
興味深いスタイルの「読書会」で、P・F・ドラッカー著
「プロフェッショナルの条件」
を読み進めています。
その読書会のスタイルは
「一冊の本を参加者が、順番に輪読しながら読み進めるスタイル」
そう、まるで小学校の国語の授業のようにです。
従って、ゆっくり・じっくり聞いて、深く読む感じで、読書が進む。
この読書会に参加するたびに、ドラッカーがいかに「凄い人」なのかが、心に沁みてきました。
今日から不定期ではありますが、読み進めながら重要な部分を綴って参ります。書かれている内容が相当「深い」ので、行間を理解したい方は是非、書籍を全文で読んで頂きたいです。
この本の凄さは、出版されたのが2000年、従ってドラッカーは、それ以前の1990年代にはこの草稿を練っていたはず。まるで30年後、2020年代の現在が見えていたかのような記述が随所に出てきます。
Part2:働くことの意味が変わった
第1章「生産性をいかにして高めるか」
【生産性革命は終わった】
(1)物を作ったり運んだりすることの生産性は、ここ100年間で社会的事件と言えるほど向上し、史上例のないものだった。
(2)しかし先進国においては、これまでのような生産性革命は終わった。今日重要性を増してきた知識労働者の生産性は全く向上していない。分野によっては低下している。
(3)知識労働者には、研究活動を行う科学者や心臓外科から、製図工、小売店の店長、保険会社の保険請求処理部門で働く者まで多様な職種が含まれる。だが知識労働者が多様であっても生産性向上に役立つもの、役立たないものは同じである。
【資本と技術は生産手段に過ぎない】
(1)我々が強い衝撃を持って最初に学んだことは、知識労働においては、資本は労働(すなわち人間)の代わりにならない、ということである。技術も、それだけでは知識労働の生産性を高めることは出来ない。
(2)経済学の用語に従えば、肉体労働については、資本と技術は生産要素である。しかし知識労働については、もはや生産手段に過ぎない。
(3)資本と技術が仕事の生産性を高めるか損ねるかについては、知識労働者がそれらを使って、何をいかにするかにかかっている。仕事の目的や、使う人の技量にかかっている。
(4)30年前、コンピュータが事務要員を大幅に削減すると信じていた。そのためサービス業におけるコンピュータ投資は、素材加工における機械投資と同じように行われた。ところが人の数は増えたが、生産性は実質的にはほとんど向上していない。
(5)医療コストの爆発は、病院の生産性を大幅に向上させることでしか食い止めることは出来ない。より賢くは働くことでしか達成できない。
【「目的は何か」を問うことが重要】
(1)フレデリック・テイラーが後に科学的管理法として結実した研究を始めたとき、肉体労働について、「何が目的か」は問わなかった。問題にしたのは「いかに行うか」だった。
(2)それに対して、知識労働の生産性の向上を図る場合にまず問うべきは、「何が目的か。何を実現しようとしているか。なぜそれを行うか」である。
(3)それを手っ取り早く効果的に生産性を向上をさせる方法は、仕事を定義し直すことである。特に、行う必要のない仕事を止めることである。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお
12月
5日,
2021年
「リーダーシップ」というものを思う時(5)「マイチームのスローガンを決める」
不定期ですが、
『「リーダーシップ」というものを思う時』
というタイトルで綴っています。
今日のテーマは
「マイチームのスローガンを決める」
先日もこのブログでお伝えしましたが、私はこれまで、それ程「リーダーシップ」ということを意識をせずに仕事をしてきました。
しかし、改めて30年余りの会社勤務時代を振り返ると、自分のチームを纏めるために色々なことをやって来た、と感じます。
その一つが、この自分の部署の
「スローガン」を決める
ということです。
もっとも印象に残っているのが、私が最後の職場となった米国系企業で、財務経理部門を率いていた頃のことです。
当時、遅ればせながら日本法人だけではなく、世界中のシステムを統合型システム(ERP)に入れ替えることになりました。
これはもちろん、経理業務の効率化・省力化を推進することになり、会社全体としてはもちろん望ましいことです。
しかし、一人一人の経理パーソンにとっては、大きな「環境変化」です。端的に表現すると
「自分の仕事が無くなるかも?!」
そこで私はその時、こんなスローガンを掲げました。
「Be professional!(経理のプロになろう!)」
そう伝えた時、私の部署の課員が私に返してくれた「ぽかん」とした表情を思い出しました。
そうですよね、いきなり「プロになれ!」と言われても.....
もちろん一朝一夕に「プロ」に成れるわけでない。そもそも「プロフェッショナル」とは何か?の定義付けだって必要。そして、どういう専門知識が必要で、望ましい行動様式は何か?などなど。
しかし、何か共有できる大きな方向性を定めて、皆でそれに向かって走り出す。少しくらい粗削りでも、ざっくりしていても良い。
「チームを動かすような、何かをぶち上げること」
リーダーには、こんな心意気も必要な気がします。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお
12月
4日,
2021年
「リーダーシップ」というものを思う時(4)「あの時、この言葉が欲しかった!」
不定期ですが、
『「リーダーシップ」というものを思う時』
というタイトルで綴っています。
今日のテーマは
「あの時、この言葉が欲しかった!」
リーダーシップというものを最近、再度考えなおしていて、ふと目の前の本棚に視線を投げました。そこは文字通り「積読」の山。そこになぜか、浮き出るように見えるタイトルの本が。
コリン・パウエル著「リーダーを目指す人の心得」
黒人として初めて、米国陸軍で四つ星の大将まで上り詰めた人物。至上最年少で統合参謀本部長に就任、その後は国務長官を務めた
「リーダーの中のリーダー」
この本を読まずにリーダーシップは語れない。
この著書の最初に「コリン・パウエルのルール(自戒13ヵ条)」が掲載されています。
その第一条を見た時に私は、頭を殴られたような衝撃を感じました。それは、
「なにごとも思うほどには悪くない。翌朝には状況が改善しているはずだ」
(原文:It ain't as bad as you think. It will look better in the morning.)
外資系企業の財務経理部門で仕事をしていた時、何度も「追いつめられる」心境になった経験を思い出しました。そして、
「なにごとも思うほどには悪くない。翌朝には状況が改善しているはずだ」
と言葉をかけてもらったら、さぞ心が穏やかになったでしょうか!
そして少しは冷静な判断や行動、指示が出来たのではないかな?
それが一時的であろうと、気休めかも知れないけれど、この言葉でいくばくかは「救われる」気持ちになったことでしょう。
そして更に、リーダーシップという観点では、こういう言葉を自分の周りの部下たちに掛けてあげることが出来ていたら...
自分だけではなく、私の周りの部下たちも「追い詰められる」心境は、全く同じだったはずです。
ここが踏ん張りどころ。毎日の業務で我々は、出来ること・やるべきことはやってきているのだ。だから必要以上に物事を悪く考えるのは止めよう。明日になれば、状況は好転しているはずだ。
自分の事ばかりで、周りの部下たちのことが目線に入っていなかったです。今思うと自分の至らなさが強く思い出されました。
自分自身にも、もちろん周りの人たちにも
「あの時、この言葉が欲しかった!」
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお
12月
3日,
2021年
「リーダーシップ」というものを思う時(3)「決断することもリーダーシップ!」
不定期ですが、
『「リーダーシップ」というものを思う時』
というタイトルで綴っています。
今日のテーマは
「決断することもリーダーシップ!」
プロコーチとして活動を始めて7年、独立して今年が3年目。私のクライアントは社長・経営者、管理職、そして起業家の方々です。そして、プロコーチとして独立を検討しているコーチの方も多いです。
そういう方々とお話をしていて思うことは「決断する」ということの重要性です。
社長・経営者や管理職の方々は毎日、毎時?決断を迫られている。「決断する」ことが仕事のように感じます。
実際に私のサラリーマン時代を振り返ると、将に「いつも決断を迫られている」、そして「今すぐに!」でした。
一方「決断する」という行為は、経営者や起業家だけに限定された行為ではありません。誰でもしていることです。例えば、
- 今日は、どんな服装で出かけようか?
- お昼ご飯は何を食べようか、カレーライスかな、それともラーメンかな?
しかし、経営者・社長や管理職、起業家の方々の「決断」というものは、服装や食事メニューの選択とは大きく異なります。なぜなら、
「周りの人への影響がある」
からです。
つまり、決断された内容に周りの人が巻き込まれる。
従って私は、ここにも一種の「リーダーシップ」が発揮されている、と強く感じるのです。
皆さんも企業や組織内での会合などで
「決めない会議」
に参加した経験をきっとお持ちだと思います。
会議には色々な目的のものがあるので、いつもいつも「決める」場面がある訳ではありません。しかし、会議中に賛否両論が交わされ、論が尽くされた挙句に
「もう少し、調査してから決めよう」
と明らかに決断を、先送りしているトップの発言。
実は、決断が正しいのかどうかは、誰も分からないのです。VUCAの時代と言われ、将来は何が起こるか、明日でさえ経営環境がどうなっているかなど、誰も分からない。
従って100%正解の決断は出来ない。つまり周りの人は、100%の正解を求めている訳ではないと思います。むしろ、
「とにかくやってみよう!」
というトップの言葉、即ち決断を待っているのです。
「覚悟」と言っても良いかも知れません。
覚悟と言っても、必要以上に固いものを示している訳ではないと思います。柔軟性を持った決断・覚悟もあり得ます。
間違っていたら軌道修正をすれば良い。軌道修正する道筋を事前に検討しておくも良い。しかし、今ここで「ゴーサイン」が欲しい。
そんな経営者の言葉に周りの人間は、うなづき、腹落ちし、ぐっと力を入れて前進出来る。
こんな経営者・起業家を私自身は目指したいですし、このような社長をコーチしたいですね!
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお
12月
2日,
2021年
「リーダーシップ」というものを思う時(2)「私が描くリーダーシップ像」
昨日からの新しいシリーズ、
『「リーダーシップ」というものを思う時』
というテーマで綴っています。
これまでの人生を振り返って「リーダーシップ」というものを意識したことは、正直言って、余り無かったように思います。しかし、
「ここで自分が今、旗振りをしたほうが良いかな?」
「自分から積極的に、意思表明をしないと話が前に進まない!」
と感じることは多くあったように思います。
下世話な話では、チーム活動終了後の帰り道。今ここで
「せっかくだから、これから飲みに行こうよ!」
という声掛けもあります。
結成後に初めて会うプロジェクト・メンバーを飲み会に誘うことが、リーダーシップとどう関係があるのか?というご指摘もあるかと思います。
しかし私の中では、この一言も立派なリーダーシップだ、と感じています。
実はこういう私の言葉がけで、その後メンバーの結びつきが強くなって、プロジェクトや協業がスムーズになった経験が多いからです。
私の中ではリーダーシップを、こんなイメージで描いています。
- チームやグループの方向性を示すこと
- チームやグループのメンバーの行動を促すこと
- 長期的・重要性の観点で意思決定をすること
- 何かが行き詰まっている時、ブロックを外してとにかくやってみようと促すこと
- メンバー間のコンフリクトを解消し、協業する環境を作ること
皆さんはリーダーシップについて、どんなイメージを持っていますでしょうか?
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお
12月
1日,
2021年
「リーダーシップ」というものを思う時(1)
今日は日頃、思うところを少しずつ呟いて行こうとペン、ではなくてブログを開けてみました。テーマは、
『「リーダーシップ」というものを思う時』
私はふとした時に、
「リーダーシップ」って何だ?
と思うことがあります。
経営者とコーチング・セッションをしている時。属している団体やグループで、企画がなかなか前進しない時。
家族旅行を計画している時、家族もメンバー間で日程や行先がなかなか決まらない時。経営コンサルティングを提供しているお客様へ提案を検討している時、などなど。
リーダーシップに関しては書籍はセミナーなど、様々なところで議論され、解釈され、実践されています。
学術(アカデミック)的な観点はもちろん、たたき上げの経営者による「実践編」のようなものもあります。
私の30年以上の長きに渡る会社勤務、プロコーチとして様々なクライアントとの出会い。自分の起業家として経験。そして一方、個人的には三人兄弟に長男として、また3人と子供の父として、様々な場面において
「リーダーシップ」って何だろう?
と思うのです。
そんなモヤモヤや、はっとするような出来事を少しずつ呟いて行こうというのが、今回のシリーズです。
特段、結論めいたことは書かないし、書けないと思いますが、皆様自身が「リーダーシップ」を考えるきっかけになれば嬉しいです。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお
11月
30日,
2021年
読書会でドラッカーを読み進めながら(Day5)「組織の使命に信念を持つ」
興味深いスタイルの「読書会」で、P・F・ドラッカー著
「プロフェッショナルの条件」
を読み進めています。
その読書会のスタイルは
「一冊の本を参加者が、順番に輪読しながら読み進めるスタイル」
そう、まるで小学校の国語の授業のようにです。
従って、ゆっくり・じっくり聞いて、深く読む感じで、読書が進む。
この読書会に参加するたびに、ドラッカーがいかに「凄い人」なのかが、心に沁みてきました。
今日から不定期ではありますが、読み進めながら重要な部分を綴って参ります。書かれている内容が相当「深い」ので、行間を理解したい方は是非、書籍を全文で読んで頂きたいです。
この本の凄さは、出版されたのが2000年、従ってドラッカーは、それ以前の1990年代にはこの草稿を練っていたはず。まるで30年後、2020年代の現在が見えていたかのような記述が随所に出てきます。
Part1
第2章「新しい社会の主役は誰か」
【前例のない組織社会】
(1)今日の組織社会には前例が無い。組織社会を構成する組織のそれぞれが、単一の目的のために設計され、高度に専門的な道具を使って成果を上げるという点で、歴史上のいかなる社会とも異なる。
(2)そして、それらの組織が、知識を知識に適用することによって成果を上げるという点でも、歴史上のいかなる社会とも異なる。
(3)また、構造においても例がない。例えば継続と安定を求めるコミュニティのニーズと、イノベーターとして不安定要因たらざるを得ない組織のニーズとの間の緊張関係がある。
(4)また組織社会の基盤たる知識そのものに関わる問題がある。最も容易ならざる最大の問題は、社会の多元化に伴う問題である。
【組織の使命に信念を持つ】
(1)企業、大学、病院、ボーイスカウトのいずれを問わず組織に働く者は、優れた仕事を行うために、自らの組織の使命が社会において重要な使命であり、他のあらゆるものの基盤であるとの信念を持たなければならない。
(2)この信念が無ければ、いかなる組織といえども、自信と誇りを失い、成果をあげる能力を失う。
(3)社会の多元性は、単一目的の専門化した無数の組織が機能することによって、初めて可能となる。それらの組織は、専門化した独立の存在として、社会やコミュニティの全体についてではなく、狭い範囲の使命、ビジョン、価値観を持つとき、初めて大きな成果を上げる。
(4)従って我々は昔からの問題、しかも一度も解決されたことのない問題に還る。すなわち、多元社会に関わる問題、
①誰が共同の利益の面倒を見るか
②誰が共同の利益を規定するか
③誰が多元社会の諸々の組織間でしばしば対立関係に陥る目的や価値のバランスを図るか
④誰がトレードオフに関わる意思決定を行い、何を以ってそれらの意思決定の基準とするか
という問題である。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお
11月
29日,
2021年
読書会でドラッカーを読み進めながら(Day4)「知識労働者と組織の関係」
興味深いスタイルの「読書会」で、P・F・ドラッカー著
「プロフェッショナルの条件」
を読み進めています。
その読書会のスタイルは
「一冊の本を参加者が、順番に輪読しながら読み進めるスタイル」
そう、まるで小学校の国語の授業のようにです。
従って、ゆっくり・じっくり聞いて、深く読む感じで、読書が進む。
この読書会に参加するたびに、ドラッカーがいかに「凄い人」なのかが、心に沁みてきました。
今日から不定期ではありますが、読み進めながら重要な部分を綴って参ります。書かれている内容が相当「深い」ので、行間を理解したい方は是非、書籍を全文で読んで頂きたいです。
この本の凄さは、出版されたのが2000年、従ってドラッカーは、それ以前の1990年代にはこの草稿を練っていたはず。まるで30年後、2020年代の現在が見えていたかのような記述が随所に出てきます。
Part1
第2章「新しい社会の主役は誰か」
【知識労働者は組織に依存しない】
(1)あらゆる組織が「人が宝」と言う。ところが、それを行動で示している組織はほとんどない。本気でそう考えている組織はさらにない。
(2)しかし事実上、既に組織は製品やサービスと同じように、あるいはそれ以上に、組織への勧誘についてのマーケティングを行わなければならなくなっている。組織は人を惹き付け、引き止められなければならない。
(3)知識労働者と組織の関係は、まったく新しいものである。
(4)知識労働者と組織の関係は、ボランティアとNPOの関係と同じように全く新しい状況である。彼らも組織があって初めて働くことが出来る。従って組織に依存している。
しかし同時に、彼らは生産手段すなわち知識を所有する。この点においては独立した存在であり、高度の流動性を持つ。
(5)知識労働者も生産の道具を必要とする。(中略)しかし、工場で機械を使って働くブルーカラーと違って、知識労働者は仕事の行い方は機械に指示されない。
つまり知識労働者は事実上、監督されえない存在である。
(6)組織と知識労働者は互いを必要とする。この新しい関係、現代社会における新たな緊張関係の存在は、もはや忠誠心は報酬だけでは得られないことを意味する。
組織は知識労働者に対し、その知識を生かすための最高の機会を提供することによって、初めて彼らを獲得できる。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお