12月
7日,
2021年
読書会でドラッカーを読み進めながら(Day7)「知識労働の価値・成果と生産性」
興味深いスタイルの「読書会」で、P・F・ドラッカー著
「プロフェッショナルの条件」
を読み進めています。
その読書会のスタイルは
「一冊の本を参加者が、順番に輪読しながら読み進めるスタイル」
そう、まるで小学校の国語の授業のようにです。
従って、ゆっくり・じっくり聞いて、深く読む感じで、読書が進む。
この読書会に参加するたびに、ドラッカーがいかに「凄い人」なのかが、心に沁みてきました。
今日から不定期ではありますが、読み進めながら重要な部分を綴って参ります。書かれている内容が相当「深い」ので、行間を理解したい方は是非、書籍を全文で読んで頂きたいです。
この本の凄さは、出版されたのが2000年、従ってドラッカーは、それ以前の1990年代にはこの草稿を練っていたはず。まるで30年後、2020年代の現在が見えていたかのような記述が随所に出てきます。
Part2:働くことの意味が変わった
第1章「生産性をいかにして高めるか」
【分散化する知識労働者の仕事】
(1)肉体労働では、人は一時に一つの仕事しかしない。
(中略)トウモロコシを植え付けているアイオワの農民が、仕事に合間にトラクターを降りて会議に参加することはない。
(2)ところが今日、知識労働者の仕事はますます分散化しつつある。
技術者、教師、販売員、看護師、現場の経営管理者など、知識労働を組織で実際に行っている人たちは、仕事や給料に関係なく、かつ、ほとんど意味の無い余分の仕事を課され、忙しさを着実に増大させている。
(3)看護師は時間の半分は、看護人としての技能や知識を要しない医療的にも価値のないこと、患者の世話や患者の満足とは関係ないことに使わされている。それは例えばペーパーワークなどである。
(4)つまり知識労働者の仕事は、充実するどころか不毛化している。当然、生産性は破壊される。動機づけも士気も損なわれる。
(5)では対策はどうしたら良いのか?
それは、知識労働のそれぞれについて、「何のために給与を払うか」「この仕事には、どのような価値を付加すべきか」を考えれば良い。答えは必ずしも明白ではなく、議論の余地もあり得る。
【知識労働は三種類ある】
(1)知識労働は、単なる労働の一言で片づけるわけにはいかない。大きく分けて三種類ある。
(2)第一に、知識労働のいくつかにおいては、仕事の成果は純粋に質の問題である。
例えば研究所の仕事である。また戦略計画についても同様である。そして医師の診断、放送や雑誌の編集もしかりである。
(3)第二に、質と量を共に成果とすべき知識労働が幅広く存在する。
デパートの店員の成果がそれである。顧客に満足は質的な側面であり、定義するのは簡単ではない。だがそれは売上高や売上伝票の枚数という量的なものと同じように重要である。
(4)第三に、生命保険会社の保険金支払い、病院のベッドメーキングなど、その成果が肉体労働と同種の仕事が多数ある。それらの仕事の場合、質は前提条件であり、制約条件である。
(5)このように、知識労働の生産性を高めるためには、その仕事が成果に関して、いづれの範疇に属するかを知っておく必要がある。そして初めて、何に取り組むべきかが明らかになる。
(6)「何を分析すべきか」「何を改善すべきか」「何を変えるべきか」を決定できる。さらには、知識労働のそれぞれについて、生産性の意味を明らかにすることができる。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお