「1ドル=145円23銭~145円24銭」(5月9日)
5月
9日
9日の東京外国為替相場で、円相場は続落でした。17時時点では前日の同時点に比べ87銭の円安・ドル高の「1ドル=145円18〜19銭」で推移しています。一時は「1ドル=146円18銭」近辺と(4月10日)以来1カ月ぶりの円安・ドル高水準をつけています。米英両政府が8日、貿易協定の締結に合意したと発表しました。米国と各国・地域との間で関税交渉が進むとの期待が高まり、投資家が運用リスクをとる姿勢を強めたことで日米の株式相場が上昇。「低リスク通貨」とされる円に売りが膨らんでいます。
米英が締結を目指す協定では、米国が英国から輸入する自動車に年間10万台の低関税の枠を設けます。枠内の輸入車の関税率は(27.5%)から(10%)に引き下げられます。英国から輸入する鉄鋼製品にかかる(25%)の追加関税も(ゼロ%)となるとされています。
英国側も米製品に対する関税率を引き下げます。今週末には米国と中国との間で貿易問題に関する閣僚級協議が開かれるのもあって、投資家心理が改善しやすくなっています。
8日発表の週間の米新規失業保険申請件数は22万8000件と前の週から減り、市場予想(23万件)よりも低い数値でした。米労働市場が底堅く推移しているとの受け止めから米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測がやや後退したのも、円相場を下押ししています。
午後にかけて円は下げ渋りました。国内の大手輸出企業などによる実需の円買い・ドル売り観測が朝方や午後に断続的に聞かれ、相場を支えています。円安加速の反動で持ち高調整の円買い・ドル売りも入ったようです。