27日の米株式市場でダウ工業株30種平均株価は続落して始まりました。<トランプ米大統領>が26日夕、輸入自動車に(25%)の「追加関税」を課すと発表し自動車関連株に売りが出ています。貿易摩擦への警戒も投資家心理を冷やしました。
完成車に加え、エンジンやトランスミッション(変速機)など基幹部品も対象となります。完成車は(4月3日)に、部品は(5月3日)までに発動する見込みです。対象部品を増やすことも視野に入れているといい、90日以内に<ラトニック商務長官>が追加の手続きを決めます。ダウ平均株価の構成銘柄ではありませんが、ゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーターが下げています。
<トランプ大統領>は、27日に自身のSNSの投稿で「欧州連合(EU)がカナダと協力して米国に経済的損害を及ぼすことになれば、現在計画しているよりも大規模な関税を課すだろう」と書き込んでいます。貿易摩擦への警戒感が増しています。
一方で、<トランプ大統領>は26日に相互関税について「とても寛大になる」とも語っていました。中国のバイトダンスが動画共有アプリTikTok(ティックトック)を米国で運営することを巡って、中国への関税を緩和する可能性にも言及しました。関税の規模や程度が不透明であることも投資家心理に影響しています。
朝発表の週間の米新規失業保険申請件数は「22万4000件」と、市場予想(22万5000件)を下回りました。市場では、労働市場は堅調さを維持していると受け止められています。10〜12月期の米実質国内総生産(GDP)確定値は前期比年率(2.4%増)と、改定値(2.3%増)からやや上方修正されています。米指標が経済の底堅さを示したことは下値を支えています。
ダウ平均株価は、前日比155ドル09セント(0.37%)安の4万2299ドル70セントで終えています。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価は、前日比94.98ポイント(0.53%)安の1万7804.03で終えています。
S&P500種株価指数は、前日比18.89ポイント (0.33%)安の5693.31で終えています。