神戸残像（１６４）「有楽名店街」＠阪神元町駅
9月
1日
防火の問題があるとしてテナント貸主の阪神電鉄が２０１６年での閉鎖を決めた後も十数店が営業してきましたが、コロナ禍で客足が遠のくなどし、店の自治会で一斉閉店を決めています。
「有楽名店街」は約１２０メートルの地下通路にあり、終戦間もない１９４７（昭和２２）年に「阪神メトロ街」として開業。１９５９（昭和３４）年に現在の名称に変わり、スナックや小料理屋など約５０店が軒を連ねて賑わいました。
２０１４年３月に大阪・阪急十三駅前の飲食店街で３９店が焼けた火災を受け、阪神は同１１月、名店街で避難時の安全を確保できないとして２０１６年３月末での閉鎖方針を伝え、当時の三十数店に明け渡しを要請。うち３店の借り主を提訴し、明け渡しを命じる大阪高裁判決が２０１８年４月に確定しています。
一方、店主や客らは「昭和の風情が残る街を残して」と署名を募って存続を求めてきましたが、阪神は明け渡しに応じない２店を神戸地裁に提訴。店側は「契約打ち切りは事前説明が不十分」と反論しましたが２０２１年１０月、阪神が解決金を支払うとする大阪高裁案を双方が受け入れ、和解が成立しています。
その後もコロナ禍で閉店が続き、現在営業するのは９店のみになりました。いずれも９月末には閉業・移転する予定です。
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