今年の読書(11)『夜の署長3』安東能明(文春文庫)
2月
22日
『ホスト狩り』では、北新宿の路上でホストが暴行された現場に遭遇した新宿署の古城美沙巡査部長は、入院したホスト「蒼也」に話を聞くため医大病院でベテラン警部補「下妻晃」と合流します。その時、白昼堂々駐車場で病院理事長の「安田」が銃撃されます。ホスト店の売り上げ同奪事件が絡む、事件の裏側に〈夜の署長〉こと「下妻」が顔をきかせて水元組に乗り込んでいきます。
『万引き犯』では、高級化粧品の万引き常連者の「上代さよ子」にまつわる窃盗症(クレプトマニア)の妻とその夫の悲しい結末が待っていました。
『失踪』では、5年前に突然行方不明になった「宮田勇介」の失踪事件と昏睡強盗を働く女を捜査する「古城巡査長」の事件が交錯していきます。
『潜熱』では、「下妻」の過去と絡み『ホスト狩り』のその後の展開が描かれ、新宿署の「夜の署長」ファンとして、中国人ネットワークの裏社会を絡め新宿の裏も表も知り尽くした「下妻」の面目躍如といった感で締めくくられています。