新潮社は11日、これまで電子化されていなかった<村上春樹>の小説8作品を、18日から一斉に電子書籍化すると発表しています。
今回配信される長編作品は、若き著者が取り組んだ幻想と冒険が交錯する渾身の長編小説『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(1985年)、英訳されて村上春樹の名を世界に知らしめた壮大な物語『ねじまき鳥クロニクル』(1994年)、15歳の少年を主人公にその柔らかい魂の旅を描き、村上ファンから熱い支持を受け続ける『海辺のカフカ』(2002年)、そして社会現象ともなり、3巻すべてがミリオンセラーとなった青豆と天吾の愛の物語『1Q84』BOOK1~BOOK3(2009年)、さらには謎と暗喩に満ちたある画家の運命的な物語『騎士団長殺し』(2017年)。
短編集3作も取り上げら、『螢・納屋を焼く・その他の短編』(1984年)に収録される『螢』は、名作『ノルウェイの森』(1987年)の一部となった重要な短編であり、『納屋を焼く』も映画化 『バーニング 劇場版』 (2018年・監督: イ・チャンドン)されて、読み継がれてきました。『神の子どもたちはみな踊る』(2000年)は神戸で育った著者が、阪神淡路大震災への鎮魂の思いをこめて描いた連作。中でも「かえるくん、東京を救う」は、海外できわめて高い評価を受けている短編の一つです。また『東京奇譚集』も、映画化された 『ハナレイ・ベイ』 (2018年・監督:松永大司)や『偶然の旅人』 『品川猿』など、村上的世界が横溢する名短編5編が取り上げられています。
今回、長編小説5作品はそれぞれの「合本版」も18日より配信。文庫で2~6冊にもなる長編を、コンパクトに携帯できるのは電子書籍ならではの強みでしょう。
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