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- 今年の読書(69)『砂の街路図』佐々木譲(小学館文庫)
主人公<岩崎俊也>は、20年前の12歳の時に、突然父親<裕二>が姿を消し、北海道の「郡布」(架空の北海道の地方都市)の運河で酒に酔って転落死した過去を持っています。
同じ地にある法科大学の同窓である母もなくなり49日を済ませた<俊也>は、なぜ父が母に断わりもなく「郡布」に出向いたのかを知るために、北の地に出向いていきます。
父が死んだときに残されたマッチ箱の店を頼りに、真実を追い求め始めます。漕艇部に所属していた大学時代の出来事を調べ、運河の町「郡布」を歩きながら若き日の父の姿を追い求めていきます。
色々な関係者の話から、父が漕艇部に在籍していた時の不祥事が関連していることが分かり、家族にさえ隠し続けていた心の苦悩と死の真相に辿りつくのですが、いつしか<俊也>は、「郡布」の街並みに引き込まれてしまい、両親の過ごした町に住みつこうかと思い始めるのでした。
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