縄文土器にコクゾウムシ@館崎遺跡
11月
24日
多量の「コクゾウムシ」は意図的に交ぜられたとみられ、<小畑>教授は「世界的にもまれな発見。縄文人の精神性を表すもので、栗の豊作の願いを込めたのではないか」と話しています。
貯蔵米の害虫として知られる「コクゾウムシ」は、体長約4ミリのオサゾウムシ科の甲虫。小畑教授らは残存する土器片内部をX線コンピューター断層撮影(CT)などで解析し、417匹の死滅した「コクゾウムシ」の跡を確認。土器全体で501匹が交じっていたと推測しています。
また、同遺跡などの東日本の「コクゾウムシ」は栄養価の高い栗をエサとし、ドングリを食べる西日本のものより体長が2割ほど大きかったことも突き止めています。
<小畑>教授は「栗は北海道に自生しない。縄文期に本州から運ばれた証拠でもある」と指摘。「コクゾウムシ」の混入理由については「縄文人に害虫の概念はなく、栗の化身として練り込んだのではないか」とみています。