土星の衛星「タイタン」
7月
27日
「カッシーニ」を担当するチームは、そこに搭載された可視・赤外マッピング分光光度計(VIMS)が13年間にわたり収集したデータを用いて、6枚の画像を作り上げています。
VIMSは赤外線の長波長を捉えることで、可視光をぼやけさせてしまう「タイタン」の分厚い霧を通して、凍てついた表面を見通しています。
これまでもVIMSによるモザイク画像が作られたことはありましたが、それらにははっきりと継ぎ目が写っていました。
こうした継ぎ目は、「タイタン」の各場所で異なるライティングや角度の下で撮影された画像をつなぎわせた際に自然と生じてしまいます。
しかし今回のモザイクにはそうした継ぎ目がほとんどありません。VIMSのデータを再度解析し、手作業でつなぎ合わせた画像を処理しています。
「継ぎ目がなくなったこれらの新しい画像は、これまでのところ、「タイタン」にかすむ大気がなかったとしたら見せてくれるだろう表面の様子をもっとも上手く表したものです。これを上回るものはしばらく登場しないでしょう」とアメリカ航空宇宙局(NASA)は発表しています。