「横尾忠則 画家の肖像」@横尾忠則現代美術館
5月
24日
1965年の自主制作ポスター『TADANORI YOKOO』以来、横尾は自身の姿をたびたび作品に登場させています。1960年代後半から若者文化を牽引し、作品のみならず作家自身のイメージまでもがメディアによって拡散されてきた横尾にとって、主観と客観が混在する自身の肖像は特別なテーマでもありました。また、グラフィックデザイナーから画家へ転身する1980年初頭には、確立したデザイン手法を封印し、絵画の中に自分らしさを求めて、多種多様な自画像を描き始めています。
同展は二部構成となっており、第一部では、移り変わる関心のままに主題や様式を変化させてきた横尾の根底にある自己探求のプロセスを「自画像」というテーマから探る。虚像としての横尾忠則像を自ら複製する1960年代後半から70年代、試行錯誤を繰り返し様々な手法で自身の姿をモチーフとして取り入れる1980年代、少年期の記憶から自身を見つめる1990年代、日常の延長をスナップ写真のように描きとめる近作など自画像の変遷が紹介されています。
第二部では横尾が影響を受けた画家の肖像を展示。そこには師であり仲間でもある先人たちへの敬意や共感、批評など様々な思いを垣間見ることができます。