打ち上げ成功「H2Aロケット37号機の打ち上げ」(2)
12月
23日
打ち上げから約16分後に高度約790キロメートルでしきさいを切り離して2段エンジンを再始動させ、打ち上げ後約1時間48分に約480キロメートルで「つばめ」を分離して別の軌道に投入した。複数の衛星を一度に打ち上げるロケットの相乗りは海外では一般的で、今回の打ち上げ成功は海外勢との受注競争で強みになると思います。
「つばめ」の主な軌道は多くの衛星の半分以下の180キロメートル~270キロメートル。地表の様子や気象状況などを精緻に確認するほか、将来の偵察用途も想定しているとみられる。ただ高度が低い分、空気抵抗も約1000倍に増す。小惑星探査機「はやぶさ」にも活用したイオンエンジンを噴射して高度を保ちながら、約180キロメートルまで段階的に高度を下げていきます。
もう一つの「しきさい」は温暖化のメカニズムに直結するデータを長時間、地球規模で観測します。2100年時点の地球の気温予測には2度程度のばらつきがあり、大気中に浮遊する微粒子が与える影響を観測するなどして予測の精度を上げる。海面の温度データなど漁業分野でのデータ活用も期待されています。