今年の読書(33)『天に星・上』帚木蓬生(集英社文庫)
6月
20日
冒頭は、久留米藩の悪政に対して、一人立ちあがった家老<稲次因幡>の墓に月命日に欠かさず参る<庄十郎>の姿から物語は始まります。
大庄屋の二男に生まれた<庄十郎>は、14歳のときに疱瘡に罹り、母が罹患して亡くなります。これを機に<庄十郎>は病を看てくれた医師<小林鎮水>に弟子入り、大庄屋の家督は長男<甚八>が継ぎ、医者を目指します。
飢饉に苦しむなか、藩の圧政に苦しむ農民たちの現状を細かく描きながら、物語は下巻に続きます。