『インシデント』秦建日子(講談社文庫)
11月
23日
頭痛が治らない高校1年生の<伊東さやか>を心配したクラスメートの<望月>は、医療コーディネート会社の<中原永遠子>に聖カタリナ総合病院の脳外科医<桧山冬実>を紹介され、<さやか>は「脳幹部海綿状血管腫」と診断、手術を受けることになります。
<冬実>は天才的な脳外科医として、ips細胞の応用を実施、世界で初めての手術が成功したかに見えましたが、翌日<さやか>は亡くなってしまいます。
不審に感じた<冬実>は、手術の映像記録を見ようとしますが記録が無く、手術中に起きた官房長官の突然の病状悪化で<さやか>の手術を最後まで執刀できなかった負い目があり、また突然の助手の他病院への転籍等、疑問が重なり合っていきます。
単なる『インシデント(医療事故)』なのか、陰謀なのか、緊迫の医療ミステリーが楽しめました。