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- 今年の読書(111)『南下せよと彼女は言う』有吉玉青(小学館文庫)
本書には海外を舞台に、7篇の旅物語が納められています。
高校時代の仲の良い男子三人が、父親の仕事でアムステルダムに転勤、3年前から住んでいる<智也>の案内で<晴彦>・<祐馬>は美術館巡りをするのですが、なぜか話題は画家<フェメール>の絵画についてに集中、三人共が一人の女性に手玉に取られていることに気付く『アムステルダムたち』を筆頭に、異国の地で繰り広げられる人間模様が展開される短篇集です。
タイトルの『南下せよと彼女は言う』は、タイトルとしての作品はありませんが、『南へ・・・!』という作品で、妻<庸子>を亡くした50歳の<村野>は、二人で行く予定だったスペインに葬式を済ませたあとすぐに日本を旅立ちます。
妻の印の付いたガイドブック片手にスペインの町を巡る最中、「とりあえず、南に行こうか」と新しい人生の契機を見つけ出します。
著者には『恋するフェメール』(白水社:2007年刊)があり、本書もたくさんの美術館・画家が登場、街並みにそった映画話やグルメ情報も満載で、ガイドブックとしても面白く読めました。
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