著者の北海道ススキノを舞台とした処女作 『探偵はバーにいる』 (1992年刊行)に始まる<ススキノ探偵シリーズ>として、第11作目の作品ですが、内容は<俺>が24歳でまだ北海道大学文学部哲学科に在籍している時代の物語です。
シリーズを読み続けている読者にはお馴染みの<高田>や<桐原ミツオ>などが登場、シリーズでの人間関係がよくわかる内容になっていました。
フイリピン人のショウパブで知り合った<ピンキー>こと<フェ・マリーン>と知り合い、なぜかわからぬまま深い仲になるのですが、突然仙台の系列店に2週間ほど出向するということで待つ<俺>です。その間、自分が住んでいたアパートの取り壊しに絡み取り残された老人たちを庇い、橘連合菊志会の<ミツオ>と関係していきます。
バー「ケラー」や「荒磯」で呑みまくる生活の傍ら、家庭教師をこなし、チンピラの<清水>との腐れ縁を絡めながら、甘く切ない若き<俺>が描かれている一冊です。
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