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- 『the TEAM ザ・チーム』井上夢人(集英社文庫)
著者は、1982年のデビュー以後、<徳山諒一>と組んで創作ユニット<岡嶋二人>として活躍していましたが、1989年に発表された『クラインの壺』を最後に解散しています。
本書の『ザ・チーム』、エンターティメントととして面白く楽しめました。
霊媒師の<熊城あや子>は盲目で耳も聞こえにくいのですが、いまやテレビタレントとして超売れっ子で、個別の相談料は30分8万円にもかかわらず大人気を誇っていますが、実は相談相手のことを調べる専門スタッフを持っています。
スタッフはの<草壁賢一>は、ピッキングのプロとして相手方の住まいに侵入して秘密を探り当てる名人で、<藍沢悠美>は、パソコンに精通して情報を探り当てるのを得意としています。
<熊城>の霊感はインチキだという週刊記者<稲野辺>の執拗な取材を手玉に取りながら、それぞれの相談者に関する事件が8篇納められています。また<熊城>自身が盲目になった事件の真相も明かされ、夫婦や親子の問題を絡めながらの構成で、無断侵入などの犯罪性を忘れさせるほど、痛快な展開が楽しめた一冊でした。
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