『最後に咲く花』片山恭一(小学館文庫)
2月
13日
かたや<永江>は、テレビ局に勤める20代の恋人<沙織>と結婚を前提に付き合っていましたが、行動的な<沙織>に違和感を感じ始め、女性として見ていなかった<由希>に対していつしか心の安らぎを感じ始めます。
そんな折、大学時代の山岳部の仲間で建設会社の副社長である<波佐間>が、単身登山に出掛けたまま戻らないと彼の妻から連絡を受け、彼を探すべく山に捜索に出かけていきます。
人間社会の拝金主義や、体外受精での胚の選択など、現代的な世相を反映させながら、人間本来の生き方は何なのかという根源的な問題に対して、真正面から取り組んだ作品として評価できる一冊です。