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- 今年の読書(20)『うわん 七つまでは神のうち』小松エメル(光文社文庫)
江戸時代の享保7(1722)年8月を舞台に、町医である<青庵>の6歳の息子<太一>が「神のおつげ」だということで突然無縁仏の墓場を掘り起し、墓の下に広がる妖怪たちをこの世に広めたことから物語は始まります。
前段の「序」に始まり第五話までの話が納められており、主人公は<青庵>の16歳の「医者小町」とよばれている娘<真葛(まくず)>で、母亡き後、父を手伝っていました。
<太一>が墓場の妖怪たちをこの世に送り出した日、父<青庵>は突然寝込んでしまい、妖怪の統率者<うわん>が<太一>に宿り、七歳の誕生日までに逃げ出した999の妖怪を捕えなければ<太一>の命は貰い受けるとの難問を命じられてしまいます。
気丈夫で利発な<真葛>は、<太一(うわん)>と二人で町中で起こる異様な病気や事件に対処していきます。
本書に納められた五話だけでは、捕えることのできた妖怪の数は知れていますので、この先長いシリーズ物になりそうです。
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