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- 今年の読書(140)『はいつくばって慈悲を乞え』ロジャー・スミス(早川書房)
2009年に発表された第一作目の『血のケープタウン』に続き、同じく南アフリカ共和国のケープタウンを舞台とする犯罪小説です。
元モデルの<ロクシー>は、武器商人の夫と帰宅中に強盗に襲われ、ベンツを盗まれますが、その際強盗が落としていった拳銃で夫を射殺してしまいます。
<ロクシー>の行動に疑問をもった強盗たちは、彼女をゆすろうと出向いてきます。
そんなとき夫に雇われていた傭兵の元刑事<ビリー>が、遅れている支払いを求めに訪ねてきますが、未払いの賃金をもらえるまでの期間、<ロクシー>の護衛役をかってでます。
ケープタウンという犯罪が当たり前に横行する街を中心に置き、対抗する二つのギャング団の抗争を絡め、また<ビリー>の幼馴染であり終身刑者の<パイパー>が脱走し、横暴な殺戮が繰り返されてゆきます。
登場人物たちがどこかで過去の接点を持ち、人種差別の強いケープタウンの社会背景を巧みに取り入れながら、ラストまで一気に読ませるクライムスリラー小説として、読み応えのある一冊でした。
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