「戦後思想界の巨人」と言わしめた<吉本隆明>は、昨年の3月16日に亡くなっています。
彼ほど多面的で、しかも私たちの生のそれぞれの領域と現象に対して確信をついた批評家は少ないと思います。
タイトルの『真贋』は、正に著者自身の批評の眼の確信であり、あまりにも常識的な「問い」と「答え」にあふれた現状を、真剣に考える上での姿勢がよく表されている言葉です。
繰り返し本書の中で、思春期までの人間形成には母親ないし母親代理の愛情が不可欠であり、出来上がった性格は直らないからこそ、自分を冷静に見つめ考える態度が必要だと説いています。
最後の結びとして、<今は考えなければいけない時代です。考えなければどうしようもないところまで人間がきてしまったということは確かなのです。(略)いま、行き着くところまできたからこそ、人間とは何かということをもっと根源的に考えてみる必要があるのではないかと思うのです>と書かれています。
世の中に流されることなく立ち止り、モノの本質の「真贋」を見抜く目で社会に対応しなければいけない時代の難しさだけは感じ取れましたが、実践はこれまた別問題です。
いつもより少し早目の顔出しだからでしょうか、今宵は刺身の種類が充実していました。
年明け最初の肴ということで悩んだのですが、築地の中央卸売市場の「初競り」のことが頭をかすめ、また明日からは <えべっさん> ということもあり「鮪の刺身」(350円)にしました。
1月5日に行われた築地市場の初競り」で、青森県大間産の「クロマグロ」222キロが、なんと1億5540万円で、東京のすしチェーン店「喜代村」が競り落としました。
1キロ当たりで70万円、100グラムで7万円、一人前で???と考えても、庶民の感覚では分かりません。
市井の酒呑みとしては「大トロ」などよりも、 ワサビたっぷりの 「すきみ(中落ち)」 が本当に美味しい部位だとおもいます。
過去の最高価格が5649万円でしたので、一挙に3倍に跳ね上がりましたが、各新聞やテレビニュースに店舗名が報道される宣伝効果を考えれば、元は十分に取れているのかもしれません。
「ダルンカレー」 が閉店と思わぬできごとがあり、急遽お昼ご飯を【きはた】さんに変更しました。
年明け一番の「お昼の定食」(600円)の開始日(火~金曜日)ですので、混むかなと敬遠していたのですが、扉を開けますと予想通り先客が3人おられました。
「お昼の定食」の初日ということもあるのでしょうが、本日も充実したおかずで盛りだくさんです。
<がしらと豆腐の煮付け・茶碗蒸し・茄子とピーマンの味噌炒め・ひじき・出汁巻き玉子・丸天・チキンロール(ゴボウ入り)・ブリの照り焼き>、そしてお味噌汁です。
夜の部のお品書きでは、<がしらと豆腐の煮付け=700円>、<茶碗蒸し=500円>ですので、がしらの大きさや茶碗蒸しの具材も違うでしょうが、お得感一杯の定食です。
お隣のご婦人が、カメラで撮影されていましたので、グルメブロガーさんかなと見ておりましたが、特に大将とお話しをされるわけでもありませんでした。
大将、気を効かせたのか「年末の夜の部に、ブログを見て来てくれた方がおられましたよ」と話しを切り出してくれたのですが、関心がないのか会話に入られことなく、黙々と食事をされていました。
今年一年も、【きはた】さんの「お昼の定食」の数が増えることは、間違いありません。
年明け早々、辛口のカレーが食べたくなり、 <辛さ20倍カレー> を求めて【ダルンカレー】に足を向けました。
なだらかな坂道を上り、ふと店舗を見ますと、何とラーメン店【麺屋 天風】に入れ替わっており、驚きです。
【ダルンカレー】さん、昨年2月17日の開店で、<辛さ20倍カレー>を食べたのが10月の終わりでしたから、開店一年を待たずの閉店です。アサド店長さん、どうされているのでしょうか。
辛口を食べさせてくれるカレー店だけに、閉店は残念でなりません。
新しく開店した【麺屋 天風】、昨年12月19日(水)の開店とお聞きしました。
この店舗の場所は私の記憶だけで、4店舗(以上)のラーメン店が入れ替わり、そのあと業種が変わり【ダルンカレー】さん、そしてまたラーメン店が開店です。
近いうちに顔出ししてみようかと思いますが、ころころとお店が替わるだけに、是が非でもという気が起こりません。
なんとも花弁のきれいな「バラ」と、遭遇いたしました。
品種名は【Fabulousu!】といい、「!」マークまでついてが正式名称です。
フロリバンダ(F)系統で、<Iceberg>と<Sexy Rexy>の交配種として、2000年にアメリカの<ジャクソン&パーキンス社>が作出した「バラ」です。
花弁の色は、クリームホワイトから開花するにつれてピュアホワイトに変わります。
花の大きさは10センチほどで、花弁数は40枚と多く、花型は丸弁の平咲きです。
花姿は、正に名称の【Fabulousu!】=「素晴らしい!」の言葉そのものです。
本作が長編デビューの新鋭<小林啓一>が監督を務め、大金を拾った女子高生と友人が巻き起こすアクシデントを通して、現代に生きる若者の瑞々しい表情を全編モノクロームの映像で描いた2011年製作の『ももいろそらを』が、2013年1月12日より全国で公開されます。
新聞の採点を日課にしている高校生の「川島いずみ」(池田愛)は、ある日、大金の入った財布を拾います。財布の持ち主を無事に探し当てた「いずみ」でしたが、そこから事態は思わぬ方向へ動き始めます。
主人公「川島いずみ」を<池田愛>が扮し、<小篠恵奈>、<藤原令子>、<高山翼>、<西田麻衣>、<渡洋史>、<桃月庵白酒>が共演しています。
2011年・第24回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門で作品賞、第50回ヒホン国際映画祭グランプリ、第28回高崎映画祭新進監督グランプリを受賞した作品です。
【仙草】のママさんは台湾出身ですので、本来のお正月は<旧正月>(今年は2月10日(日))が中心になりますが、やはり新年らしい飾り付けがありました。
おめでたい赤色の風呂敷に包まれた一升瓶が、水引飾りがされて置かれていました。
「一本巻き」の変形結びのようですが、シンプルな装いですが、おめでたい雰囲気にあふれています。
風呂敷の起源は定かではないようですが、正倉院の御物の中にもあり、古くは「衣包(ころもつつみ)」や「平包(ひらつつみ)」と呼ばれていました。
それが風呂敷となったのは、室町時代末期に風呂に入る時に「平包」を広げ、そのうえで脱衣などを行い着物を包んだことによるとの説がありますが、確定はされていません。
明治に入り西欧から手提げ鞄などが導入され、需要が減ってしまいましたが、日本の作法として贈答品などを贈る場合には、まだまだ活躍の場があるようです。
ひょんなことで裁判所関係の仕事に関連していますが、少し前まで年配の弁護士さんには、風呂敷包みで書類を持参される方がおられました。
今は訴訟書類も多いのか、キャリーバックが裁判所内を動いています。
ママさん特製の <鶏ガラ白湯スープ> で、各種具材と煮込まれた「フカヒレスープ」は、絶妙の味で飽きることはありません。
日本は世界有数の<フカヒレ>生産国であり、特に気仙沼は水揚げ量も多く、加工技術も優れており、特産地として有名です。
アメリカでは、<フカヒレ>漁は2010年から全面禁止のようで、また世界自然基金などが香港のホテルや中華レストランなどに「フカヒレ料理禁止キャンペーン」などを展開しているとかで、昨年より有名ホテルではメニューから消えました。
乾燥された<フカヒレ>を、ネギやショウガなど香味素材と共に茹で、さらに蒸した上で皮を剥き水にさらす手間のかかる下処理ゆえ、軟骨特有の柔らかいゼラチン質の食感が楽しめます。
捕鯨反対運動と同様に、また日本にも<フカヒレ>反対運動の飛び火が来るのも必至な気がして、今宵は「フカヒレラーメン」(1000円)の美味しさを噛みしめながら、いただいてきました。
【きゅうちゃん】の「本日の日替り定食」(680円)の看板を見ますと、<あぶり焼豚と牡蠣フライ>とあり、どちらも好物ですので迷わずに入店です。
<本格屋台仕込み>とありますように、本来は「ラーメン屋」が出発点ですので<焼豚>の味は保証付きです。炒められたもやしと辛しで、美味しくいただけました。
<牡蠣フライ>も大きくて身が詰まったプリプリの出来ばえで、これまたいい味わいでした。
お隣のお客さんは、<牡蠣フライ>(480円)で一杯呑まれており、フライの個数も多く、これはまた酒の肴として呑みに来なければいけないようです。
アブラナ科アブラナ属の「ハボタン」ですが、キャベツの仲間である「非結球性ケール」を観賞用に改良したものです。
色々な「葉」の種類があるのは、 「切れ葉ハボタン」 のときに述べていますが、お正月飾りとして「松」 と「竹」の間に、姿の良い【踊りハボタン】が飾られていました。
本来は多年草ですが、価格も高くないことで花壇や門松などに使用された後は、かわいそうに廃棄処分の憂き目にあうことが多いようです。
鉢植えや花壇植えのまま置いておきますと、アブラナ科ですので春先に 「黄色い花」 を咲かせます。
花を咲かせた後、種が大きくならないうちに種の下でピンチ(切断)すると、横から芽が出てきてまた花を咲かせます。
何回か繰り返しているうちに一本の茎から数本の「ハボタン」が枝分れしたような状態になり、これが【踊りハボタン】と呼ばれる姿です。
ひょろ長い茎の先に出来る「ハボタン」の姿も、縁起物として好まれているようです。
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