トランプ関税、日本車への打撃
3月
5日
4日、<トランプ米政権>が発動しましたたカナダとメキシコに対する(25%)の関税は、米国で販売する車の一部を両国で生産している日本の自動車メーカーを直撃します。特に、経営不振に陥っている日産自動車は、厳しい状況に追い込まれるとみられています。
米国とカナダは1965年に自動車と部品に対する関税を撤廃する協定を締結。1994年に北米自由貿易協定(NAFTA)が発効すると、無関税の対象にメキシコも加わりました。<トランプ第1次政権>時に(NAFTA)に代わる米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)が発効し、無関税の適用条件が厳しくなったものの、原則は維持されていました。
自動車メーカーは北米内では関税がかからないことを前提に生産体制を整えており、部品が完成車に組み込まれるまでに何度も国境を越えることも珍しくありません。毎回(25%)の関税が課されればコストは雪だるま式に跳ね上がります。
各社のデータなどによりますと、トヨタ自動車が2024年に米で販売した233万台のうち、約3割がカナダとメキシコからの輸入で、ホンダは142万台の約4割でした。日産はカナダに生産拠点を持ちませんが、メキシコからの輸入割合は92万台の4割弱を占めています。マツダも42万台のうち、3割弱がメキシコ生産分です。
米調査会社の試算では、今回の関税により、米新車の製造コストは3500~1万2000ドル(約50万~180万円)程度上昇する恐れがあります。
「米国第一」を掲げる<トランプ大統領>の思いと裏腹に、関税はゼネラル・モーターズ(GM)など米国勢の業績も圧迫します。米自動車産業の中心地ミシガン州の業界団体は「雇用の減少や価格の上昇を引き起こし、経済に打撃だ」と警告しているようです。