日銀は、18日から2日間の日程で金融政策決定会合を開きます。今週は、米連邦準備理事会(FRB)が17〜18日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを行うとみられています。
日銀では、経済・物価動向は想定通りに推移しているものの、不透明感が強まる先行きの世界経済や来年春闘に向けた賃上げの動きを慎重に見極めるべきだとの見方が広がっています。このため、会合までに円相場が急落して輸入インフレが加速するような恐れがなければ、7月に続く利上げは見送る可能性が濃厚のようです。
来年1月に就任する<トランプ次期米大統領>は、中国に加えてメキシコやカナダを対象に関税の引き上げを表明しています。また、「ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ(BRICS)の新通貨をつくらず、強大なドルに代わるほかの通貨を支持しないと約束するように求める」との考えを示しています。従わなければ、高関税を課すとしました。これらを受け、国内では輸出企業を中心に業績悪化への警戒感が強まっているようです。
日銀が13日に公表しました12月の全国企業短期経済観測調査(短観)でも、先行きについては、企業規模や業種を問わず景況感が悪化する見通しとなっています。日銀内では、再利上げの環境が整ったとの意見も一部にはありますが、拙速な政策変更は避けるべきだとの見方に傾いているようです。
金融政策決定会合ではまた、過去25年間の金融政策を検証する「多角的レビュー」も取りまとめられます。これまでの大規模緩和の効果や副作用を総括的に点検する予定です。