今年の読書(36)『殺し屋商会』柴田哲孝(双葉文庫)
6月
10日
面白そうなタイトルで、著者<柴田哲孝>の作品は、『中国毒』を面白く読み終えていますので、手にしてみました。
主人公は、「殺し屋商会 復讐代行相談所」を名乗る「水島亜沙美」と、父「クズリ」譲りのリボルバー「S&W・M36」を使用して殺しを実行する「ロンホワン」です。
前半4篇は、法律でさばききれない事件の犯人への恨みを殺人という代行で復讐を果たす事件が続きます。
元通産相の官僚が、ブレーキとアクセルを間違えて車を暴走させた事件の遺族、歌手の娘が恋人からDVを受けて自殺した俳優の父親、児童虐待で子供を死に追いやった母親とその若い愛人、外道プロダクションに摂取され続けるAV嬢の事件など、どこかで見聞きしたような事件を主軸に、「ロンホワン」の銃が決して許される正義ではありませんが、復讐の代行をしていきます。
最後の一篇は、「ロンホワン」の出自に関して短編でした。意外な週末を迎えますが、自作が読めるのかは今後の期待になりそうです。