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- 今年の読書(69)『女副署長 祭礼』松嶋智左(新潮文庫)
<松嶋智左>の「女副署長」シリーズとして、『女副署長』・『女副署長 緊急配備』に続く3作目の『女副署長 祭礼』は、2022年10発1日に文庫本書下ろしとして発売されています。
『女副署長』では、主人公の「田添杏美」は、警視になり日美坂署に赴任、大型台風が接近の中、署内で殺人事件が発生。犯人は警察官でしかありえないという事件を解決、さっそうと登場しました。
『女副署長 緊急配備』では、署内の不始末で佐紋署に左遷、穏やかな町で女性の他殺死体が発見され、警察官が殴打されるという事件が発生します。本庁の「花野」警部と対立しながらも、事件を解決します。
本書『女副署長 祭礼』では、旭中央署に赴任、女性署長「俵貴美佳」がキャリアとして着任してきます。タイトルにありますように主軸は、6年前の神社の祭りで幼い女の子が突然姿を消した事件が未解決のままでした。新たにキャリアの女性署長「俵貴美佳」が、本部の監察から目を付けられていることが判明。女同士ということで解決に向けて奔走する中、手配犯が管轄区域内に舞い戻った情報が入り、手配犯の交際相手の女性の不審な転落死が発生します。
本庁より剛腕の捜査一課長「花野」指揮のもと、事件は異様な展開にもつれこんでいきます。
文中、妙に「田添杏美」の警察官としての経歴や矜持の描写が多いのが気になりましたが、1,2作目を読んでいない人のための補助的な解説かなと考えていましたが、最後に犯人と対峙して「田添杏美」が亡くなる結末でシリーズが3作目で終わるとは予想外の結末でした。
押しの強い「花野」警部と共に登場人物として気になる「野上麻希」巡査長の刑事としての今後の成長も楽しみだっただけに、シリーズが終わるというのは残念でなりません。女刑事として成長した「野上麻希」を主人公にした物語を期待したいところです。
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