ウクライナ情勢(6)@インフレ加速
2月
23日
21日、ロシアがウクライナ東部の親ロシア派支配地域の独立を承認したことで、米欧が対ロ制裁を表明。ロシアはエネルギー輸出大国だけに、供給混乱の恐れから、原油価格の代表的指標の一つの英国産北海ブレント先物は1バレル=97ドル台と、2014年9月以来の高値を付けました。欧州株式市場は投資家のリスク回避ムードが強まり、軒並み下落。ロンドン時間午前9時現在、英FTⅭ種平均株価指数(FTSE100)は前日終値比(0.3%安)、ドイツ株式主要40銘柄指数(DAX)は(1.2%安)、フランスCAC40種指数は(0.5%安)で取引されています。
新型コロナウイルス感染拡大に絡んだ供給制約と相まって、エネルギー高は既に世界各国で物価を押し上げています。米国の1月のインフレ率は(7.5%)で約40年ぶりの高水準。ユーロ圏も(5.1%)と過去最高を記録しています。
一部の新興国中銀はインフレ抑制のため、既に金融引き締めを進めています。ブラジル中銀は2日、政策金利を8会合連続で引き上げました。利上げ幅は約1年で合計(8.75%)に達しています。
米連邦準備制度理事会(FRB)は3月半ばの会合で、事実上のゼロ金利政策を解除し、金融引き締めに着手する方針です。米国の物価動向は利上げペースを左右しかねず、(FRB)は原油高につながるウクライナ情勢の行方を注視しています。