今年の読書(99)『元彼の遺言状』新川帆立(宝島社)
12月
28日
本年度の第19回『このミステリーがすごい! 』大賞受賞作の『元彼の遺言状』は、金に目がない凄腕女性弁護士が活躍する、遺産相続ミステリー!です
「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という奇妙な遺言状を残して、大手製薬会社の御曹司「森川栄治」が亡くなりました。学生時代に彼と3か月だけ交際していた弁護士の「剣持麗子」は、犯人候補に名乗り出た「栄治」の友人の代理人として、森川家の主催する「犯人選考会」に参加することとなります。数百億円とも言われる財産の分け前を獲得するべく、「麗子」は自らの依頼人を犯人に仕立て上げようと奔走します。一方、「麗子」は元カノの一人としても軽井沢の屋敷を譲り受けることになっていました。ところが、避暑地を訪れて手続きを行なったその晩、くだんの遺書が保管されていた金庫が盗まれ、「栄治」の顧問弁護士であった町弁が何者かによって殺害されてしまいます。
茶者の<新川帆立>さんは1991年生まれの本職の弁護士とあって、法曹界のリアルな描写とキャラクターも謎も時にコミカルなストーリー運びも非常に魅力的な一冊でした。