「コウテイペンギン」絶滅の危機@南極
8月
7日
研究に協力したオーストラリア南極局は、繁殖活動を氷上で行う「コウテイペンギン」について「ひなが海に出る用意が整う前に氷がなくなるかもしれない」と警告しています。
「コウテイペンギン」は体長約130センチ、体重約45キロ程度まで成長し、現存するペンギンの仲間では最大種です。繁殖地の大半は南極の海氷にあるため、気温上昇で氷を解かす影響を与える気候変動は大きな脅威となります。
研究は米ウッズホール海洋研究所が主導し、米欧オセアニアの研究者らが参加しました。研究によりますと、現在のペースで温室効果ガスの排出が続けば、少なくとも2040年ごろまでは個体数は緩やかに減少しますが、その後は加速。2100年までに繁殖地の98%が失われ「ほぼ絶滅する」恐れがあると予想しています。
南極では約60カ所の繁殖地が知られており、現在推計で最大約65万羽が生息しています。
米国では「コウテイペンギン」を絶滅危惧種に指定する手続きを開始。国際的にも南極条約の議定書に基づいて保護の対象に指定する動きが出てきています。