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今年の読書(81)『火車』宮部みゆき(新潮文庫)

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今年の読書(81)『火車』宮部...
本書『火車』は、1992年(平成4年)7月に「双葉社」から刊行されていますが、1998年(平成10年)2月に(新潮文庫〉として発行されています。

第108回直木賞候補作であり、第6回山本周五郎賞受賞という作品です。ほぼ30年前の作品ですが、時代を感じさせる部分も当然ありますが、現代でも全く本質は変わらずに読めるのは、著者<宮部みゆき>の本質を見抜く力量のなせる技だと感じました。

事件捜査中の銃撃による負傷のため、休職中の刑事<本間俊介>でしたが、亡くなった妻の親戚で銀行員の<栗坂和也>が訪れてきて、婚約者の<関根彰子>が突然失踪してしまったので、探してくれないかと相談され、調査に乗り出します。

<彰子>の勤務先などを調べてゆく過程で、<本間>は<俊介>の婚約者は、クレジットカードローンで破産した<彰子>ではなく、別人物ではないかとの疑問を持ち始めます。

<彰子>と称するカード会社での犠牲者の凄惨な人生を抉り出し、一人の女性の人生の足跡を突き詰めてゆく<本間>でしたが、事件の全容が見えたときに、なるほどという余韻を残す場面で、物語は終わりを告げます。
#ブログ #文庫本 #読書

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