今年の読書(65)『捌き屋 行って来い』浜田文人(幻冬舎文庫)
8月
27日
「捌き屋」とは、後ろ盾もなく組織にも属さず、一匹狼の裏稼業で、ゼネコンの建設工事の受注を巡る企業交渉人を指しています。
大きな仕事で一段落している捌き屋「鶴谷康」に盟友 花房組の「白岩」 から大坂万博工事に絡む新たな案件が依頼されます。依頼人は「鶴谷」が駆け出しの頃世話になった南港建設の「茶野」で、大和建工の一方的な契約解除を改めさせてほしいというものでした。
その原因は「鶴谷」が先の案件で捌いた恨みが絡んでいるようで、「鶴谷」は、元公安部の刑事「木村」の信用調査事務所の馴染みの面々と裏事情の情報調査乗り出します。
いつもながらの大阪弁の歯切れの良さと建設業界の裏事情が絡み合い、楽しめた一冊でした。