今年の読書(4)『悲嘆の門 (上)』宮部みゆき(新潮文庫)
1月
22日
序章部分の導入部に母子家庭の親子が登場5歳の女の子「真菜(マナ)」が登場しますが、これがのちの大きな伏線となります。
主人公(?)教育学部の大学1年生の「三島孝太郎」は、高校のテニス部の先輩「真岐」の誘いで、ネット上の法律に反するモノや犯罪に結びつくモノを監視・検閲を行うサイバーパトロールの会社「クマー」でアルバイトを始めます。
あるひ、全国で起きる連続殺人事件かと思わせる手足の指を切り取る不可解な事件の監視チームに入りますが、その過程で連続ホームレス失踪事件に興味を持った同僚「森永」が、個人的に失踪した老人の調査に出かけたまま、行方不明になってしまいます。
「孝太郎」は「森永」からメールで送られてきた1枚の「鳥の絵」を手掛かりに、「森永」の追跡に乗り出します。この絵を描いたのが、5歳の女の子「真菜」でした。
物語と並行して、定年で引退した元警視庁捜査一課の刑事「都築」が登場。町内の老人「千草タエ」が、通称「お茶筒ビルという4階建てのビルの屋上に飾られている鳥の形をしたガーゴイルが、毎日動いているという話を聞き、現地のビルに出向いていきます。
いろいろな事件や状況が複雑に絡み合う幕開けの上巻(370ページ)でした。