宇宙線「ミューオン」を利用して調査を実施@箸墓古墳
1月
10日
橿考研の共同研究員のグループは、宇宙から飛来する「ミューオン」の軌跡を映す高感度フィルム(縦13センチ、横30センチ)4枚を取り付けた装置(縦40センチ、横90センチ)を2018年12月、古墳周囲の4カ所に設置。フィルムを交換しながら2020年4月まで調査を続け、解析します。
「ミューオン」は、物質を構成する最小単位、素粒子の一つで、厚さ1キロ程度のものも突き抜けます。古墳内に空洞があると透過しやすく、ミューオンを捉えたフィルムをコンピューターで分析すると空洞を可視化できることになります。
「ミューオン」を使った調査は同県斑鳩町の春日古墳や同県大淀町の「石神古墳」でも実施され、いずれも内部の空洞を確認。エジプトでは、クフ王ピラミッドに未知の巨大空間があることが分かっています。
「箸墓古墳」では、宮内庁の調査で埴輪(はにわ)や土器が出土。後円部からは「特殊器台」と呼ばれる、吉備地方の墳墓に特徴的な遺物も見つかっています。