銀河を取り巻く巨大な炭素ガスの雲を確認
12月
17日
ビッグバン直後の宇宙には水素とわずかなヘリウムしかなく、炭素や酸素などのより重い元素は、初期宇宙で生まれた星の内部で起きる核融合反応で作られ、星が最期に迎える超新星爆発でばらまかれたとされています。しかし、これらの元素がどのように広がったかは分かっていません。
研究チームのメンバーで、コペンハーゲン大の<藤本征史>研究員らは、過去にアルマ望遠鏡で撮影した初期宇宙の銀河18個のデータの平均を取るなどの手法で、炭素ガスが出す微弱な光を検出。銀河を構成する星の分布よりも5倍広い、半径3万光年にわたって炭素ガスが広がっていたことを突き止めました。
従来の理論では、ここまで炭素ガスを噴き出させるエネルギーは想定できないといい、ブラックホールの活動など未知の現象が関与している可能性があるといいます。