約130億年前の初期宇宙で、銀河(中心の白い部分)を取り巻くように広がった巨大炭素ガス雲(赤い部分)の想像図
(画像:国立天文台提供)
国立天文台と東大、大阪大などの研究チームは、南米チリにあるアルマ望遠鏡などの観測で、約130億年前の宇宙初期に、銀河を取り巻く巨大な炭素ガスの雲が存在しているのを見つけています。論文は16日、米天文学誌『アストロフィジカル・ジャーナル』に掲載されています。
ビッグバン直後の宇宙には水素とわずかなヘリウムしかなく、炭素や酸素などのより重い元素は、初期宇宙で生まれた星の内部で起きる核融合反応で作られ、星が最期に迎える超新星爆発でばらまかれたとされています。しかし、これらの元素がどのように広がったかは分かっていません。
研究チームのメンバーで、コペンハーゲン大の<藤本征史>研究員らは、過去にアルマ望遠鏡で撮影した初期宇宙の銀河18個のデータの平均を取るなどの手法で、炭素ガスが出す微弱な光を検出。銀河を構成する星の分布よりも5倍広い、半径3万光年にわたって炭素ガスが広がっていたことを突き止めました。
従来の理論では、ここまで炭素ガスを噴き出させるエネルギーは想定できないといい、ブラックホールの活動など未知の現象が関与している可能性があるといいます。
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