本書『死命』は、2012年4月文藝春秋から刊行され、2014年11月に文春文庫として発行されています。 『刑事のまなざし』』(2011年6月) ・ 『ハードラック』(2011年9月)に次ぐ作品になります。
『死命』は、胃癌を患い余命いくばくもなく、自らの死と隣り合わせの状態にある2人の男が織りなす、壮絶な物語です。子供のころ受けたトラウマで関係を持った女性を絞殺することに喜びを感じる33歳の<榊真一>と、刑事としての矜持をもちえた妻を亡くした53歳の捜査一課の刑事<蒼井凌>は、所轄の28歳の新人刑事<矢部知樹>と組み、女性を狙った連続殺人事件を追います。刑事人生に心血を注いできた<蒼井>は、病で余命宣告を受けたのを機に、死の恐怖に襲われながらも、残された時間を職務に注ぐことを再決意するとともに、ダンサーを目指す娘<瑞希>や息子<健吾>との関係にも修復を試みます。
そんな<蒼井>に追われるのが、同じく胃癌で余命宣告を受けたデイトレーダー<榊信一>。命のタイムリミットに直面した彼はあろうことか、ずっと抑え込んできた殺人衝動に忠実に生きると決め、連続殺人に手を染めていきます。
余命宣告を受けた者同士でありながら、命との向き合い方も、悟った使命も相反する<蒼井>と<榊>。2人は駆け引きを交錯させながら、スリリングな追走劇を展開していきます。そんな中、2人の「人生」を司る過去も徐々に炙り出され、<榊>を愛する幼馴染の<山口澄乃>を巻き込み、運命は思いもよらない方向に展開していきます。
- ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
ログイン
- まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
新規ユーザー登録へ
投稿日 2019-05-05 21:04
ワオ!と言っているユーザー
投稿日 2019-05-05 21:07
ワオ!と言っているユーザー