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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(28)『白く長い廊下』川田弥一郎(講談社文庫)

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本書『白く長い廊下』は、1992年「第38回江戸川乱歩賞受賞作品で、乱歩賞初の医学ミステリー作品になります.文庫本としては、1995年7月16日刊行になりますが、今読んでもさすが乱歩賞受賞作品として、また、著者自らが外科医であるということもあり医学的な描写や病院内部の事情も面白く楽しめました。

外科手術で麻酔担当の<窪島典之>が行った手術終了後、手術室から病室絵向かう廊下の途中で患者<並盛行彦>の呼吸がとまり、翌日死亡します。麻酔の手順に全く問題を感じなかった<窪島>ですが、妻である<並盛義美>と弟の<並盛琢磨>の医療ミスではないかという訴えに対し、病院側は穏便に保険で支払おうと<窪島>にミスを認めさそうとしますが、<窪島>は頑固に拒否。独自に調査を始めます。

そんなおり、薬剤師の<山岸ちづる>が<窪島>に近づいてきて、ミスではなく巧妙に点滴器具に仕掛けがある殺人であると主張。二人で調査の結果、当日ストレッチャで患者を運んだ<榊木十和子>という看護婦と患者の妻は高校の同窓であり、共同犯行という線が浮かび上がります。

<窪島>は警察に一部始終を告発し、病院を追われることになります。また、病院側はこの殺人事件が明るみに出て、評判が落ち、結局以前から売却を打診してきていた関東医科大学の<新郷>理事長が病院を購入、一新して開業します。

そして恋人として信頼していた<ちずる>に対して、<窪島>は隠している事実があると感じた<窪島>は全てを捨て、無医村の幹根島へ渡り、そこで診療所生活を始めます。1年後、<ちずる>が島を訪ね、<新郷>が自分の母親の恋人であること、学生時代から面倒をみてもらって、<新郷>に恩義を感じ、医療事件の顛末を伝えていたことを白状します。<窪島>は近いうちにこの島に渡ってきてほしいことを伝え、物語はハッピーエンドを匂わせて終わります。
#ブログ #文庫本 #読書

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