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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(41)『グレイ』堂場瞬一(集英社文庫)

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1983年の東京が舞台。主人公の<波田憲司>は、奨学金とバイトでなんとか下宿生活を過ごしている法学部の大学2年生です。ある日、「日給1万円」というアルバイト募集のチラシを見つけます。そこはテレビにも出ている<北川啓>が主宰しているアンケート調査研究所でした。通行人からアンケートを取り意識調査を行う研究所は羽振りもよく、主輪に大金を手にいれることができ、契約社員としてアルバイトの取りまとめ役などをしていました。

そんなある日<北川>から怪しげなペーパー商法を行っている「山陽商事」に出入りする人たちを確認するという仕事を与えられ、調査中に相手側に拉致・監禁されてしまいます。運よく警察の強制捜査が入り、<波田>は助けられますが、研究所に戻ると夜逃げ状態で<北川>をはじめ他の社員との連絡が付きません。

アンケート調査に隠れた個人情報の転売会社だと気が付いた<波田>は、<北川>の居場所を探り当てますが、「小物」の裏側には「大物」政治家が絡んでいました。罠にはめられた青年<波田>が、「大物」との立ち回りを経て、大きな心境の変化が生まれるところで物語は終わります。

今後この20歳の<波田>がどのような「大物」になって社会で生き抜いていくのかの続編を読みたくなる結末と主人公でした。

#ブログ #文庫本 #読書

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