ファルコン植物記(1974)「アサガオのゲノム編集」
9月
5日
筑波大の<小野道之>准教授は、紫色の花と茎を持つ「ムラサキ(violet:Q79)」という品種の未熟な胚を培養した細胞の核に、ゲノム編集に必要な酵素などを入れた。花などの色素を合成する酵素の遺伝子「DFRーB」の一部を書き換えて働かなくして、白い花と緑の茎のアサガオを作った。この種子から育ったアサガオは、ゲノム編集した後の性質を受け継いでいた。
日本に中南米原産の水色のアサガオが中国経由で入ったのは奈良時代。白色の花の最初の記録があるのは、1631年に描かれた絵だという。<小野>准教授は「自然の突然変異では850年かかった。ゲノム編集を使えば1年でできた」と話す。アサガオの花や葉の色だけでなく、形、咲く時期などを自在に変えられる可能性がある。
ゲノム編集やバイオ技術の進歩には目を見張るものがありますが、植物が何百年と継続させながら種の保存の本能で形作られたものに手を加えるということがいいのかどうか、悩ましい問題として気になるところです。