ファルコン昆虫記(803)幼体のオスの【ササグモ】(10)
7月
5日
網を張らない徘徊性のクモで、小型の昆虫などの獲物を見つけると跳躍して捕えます。この敏捷性はさすが昆虫を餌として捕らえる肉食性のクモであると納得する動きです。
【ササグモ】の身体的特徴として脚のトゲが発達していて、トゲが良く目立つことです。脚にはまばらに長めの針状のトゲが生えており、このトゲが捕えた獲物が逃げないような働きをしています。普段の行動を見ていると、葉の上から落ちないように移動しながら糸を出して体を固定しているようです。雌雄ともに同じような大きさになりますが、雌の方がしっかりしていて大きく見えます。雄と雌が1緒にいる時には、腹部が大きい方が雌になります。
体色には変異があり季節によって色の違う個体群が現れたりします。色の違う個体を探すのも楽しいと思います。印象的な脚のトゲトゲが目立つクモなのに、名前がササグモと付いているのは、ササでよく見られたクモであったことからのようです。名前と姿がミスマッチに思えるクモです。色彩も模様も綺麗なクモのひとつです。
【ササグモ】の出現期は5~8月(秋にもいます)、体色は黄緑色~黄褐色ですが、季節によって体色の違いがある個体群が出ます。春ころから黄色っぽい個体、そのあとに赤茶色っぽい個体、秋が深まると白っぽい個体群が出てきます。雄と雌の区別は腹部が大きくガッシリと見える方が雌で、腹部が細く黒い蝕肢を持っている方が雄になります。雄の蝕肢の先端はボクシングノグローブのように膨らんでいます。
雌雄ともに脚は細長く、さらに脚には黒い色をした鋭い針状の長いトゲがまばらに生えていて、このトゲで捕えた獲物が逃げないように押さえこんで他の昆虫を捕食します。この脚に生えている黒色の長いトゲが特徴になります。雌雄ともに頭胸部には黒い縦線が入っていることも特徴になります。腹部の縦線は帯のような形の斑紋に見えます。腹部の形は細長い卵型で先が尖って見えます。ササグモの産卵期は7~8月になります。越冬は幼体で越冬します。ササグモの幼体は 「ハエトリグモ」 に似た体形に見えます。非常によく似たクモに地色が黄色い「コウライササグモ」がいます。
投稿日 2017-07-05 14:43
ワオ!と言っているユーザー
投稿日 2017-07-05 15:23
ワオ!と言っているユーザー